翻訳者/翻訳家を目指している方なら一度は聞いたことある「翻訳トライアル」。
- 翻訳トライアルって何のこと?
- 難易度や合格率は?
- トライアル対策の勉強方法ってあるの?
と、翻訳者を目指し始めたばかりの時は色々と疑問があるのではないでしょうか。
翻訳者として稼ぐには、
- クラウドサービスから仕事を受注する
- 翻訳会社から仕事を受注する
- 社内翻訳者として働く
- 企業と直接契約する
など様々な方法がありますが、今回は「翻訳会社から仕事を受注したい」と思っている方向けに、翻訳会社に登録するまでの流れや翻訳トライアルについて、私の経験を交えてご紹介していきます。
私は現在5社の翻訳会社に登録しており、そのうち2社から8年以上継続的に仕事をいただいています
これからトライアルを受ける人の参考になればうれしいです^^
翻訳トライアルとは?
翻訳トライアルとは、翻訳会社に登録する際に行われるテストのことを指します。
まず、翻訳会社から仕事をもらうには、翻訳会社に登録が必要です。
翻訳会社は、企業と個人翻訳者を結ぶ仲介業者のような位置づけ。
製薬会社や大学、メーカーなどから翻訳会社へ翻訳の依頼が来ます。翻訳会社は登録翻訳者のスキルや能力を考慮して、振り分けていきます。
<製薬会社が翻訳の依頼したときの流れ>
製薬会社
翻訳の仕事を依頼
↓
翻訳会社
登録された翻訳者の中から、医薬分野に精通した翻訳者に仕事を発注
(分量が多い場合は、数人に振り分け)
↓
登録翻訳者
仕事を受注
翻訳会社もいい加減な翻訳者に仕事を任せられませんから、登録前に各翻訳会社で設けた翻訳スキルの基準に満たしているかをチェックする目的で、翻訳トライアルを実施しています。
トライアルに合格すると、晴れて翻訳会社に登録、その後正式に契約(NDA:秘密保持契約など)を交わして、仕事を受注することができます。
翻訳トライアルを受験する流れ
翻訳会社への応募の一般的な流れは、以下のようになります。
- 応募フォームから応募(履歴書/職務経歴書を添付)
- 一次書類選考に通過後、トライアルがメールで送付
- 期日内にトライアル課題を実施
- トライアル課題を提出
- 翻訳会社から合否の連絡
- 合格した場合、契約書類にサインをし、登録
翻訳会社によっては、書類選考をトライアルの後に実施する会社や、トライアル合格後に面接がある会社もあるよ!
翻訳会社の探し方
- インターネット検索
- 翻訳者ディレクトリ
- 通訳翻訳ジャーナルなどの雑誌
- 紹介
よく使ったのは、翻訳者求人サイトの「翻訳者ディレクトリ」です。昔からあるサイトで求人も比較的多く、専門分野や雇用形態などで検索できます。
実際に、ここから何件か応募してトライアルに登録に至った会社もあります。
翻訳者として登録もできるけど、スパムメールが多かった印象…翻訳者ディレクトリの評判を別記事にまとめたので参考にしてみてね!
翻訳会社から探したい場合は、翻訳会社一覧が載っている「通訳翻訳ジャーナル」がおすすめ。
ネットで検索するといつも同じような大手会社ばかり出てくるので、中〜小規模の翻訳会社を調べるのに向いてます。
履歴書/職務経歴書はしっかりと作り込む
翻訳会社に応募する際には、履歴書/職務経歴書の提出が求められます。
翻訳会社が重要視しているのはあくまでもトライアル。
書類選考で落ちるということはあまり聞きませんが、かと言って作りがいい加減だとトライアルさえ受けさせてもらえない場合もあるのでしっかりと作り込む必要があります。
また、履歴書に書き込む連絡先のメールアドレスは、有料メールアドレスがベターです。
その理由は…
- セキュリティー対策がしっかりしている
- プロとして活動していることをアピール
- クライアントからの信頼度が上がる
などが挙げられます。
翻訳業界では案件(機密情報)をメールで扱う機会も多いので、セキュリティー対策をしていることをアピールする点でもおすすめです。
フォーマットは基本的に自由形式です。テンプレートはDodaや日経転職版などからダウンロードできますので活用してみてくださいね!
履歴書や職務経歴書の提出はなく、下記のように応募フォームに記入する形式もあります。
上記のようなフォームだと、数行で簡単に済ませてしまいがちですが、ここもしっかり作りこむ必要ありです!
と言うのも、翻訳トライアルを受験し始めた頃、
後でちゃんとした履歴書や職務経歴書送るみたいだから、応募フォームはカンタンに文章でまとめればいいや~まずはトライアル!!
と応募したところ、一次選考で落ち、トライアル受験ができなかった経験がありました…
一度落ちると半年~1年再受験できない会社がほとんどなのでここでつまずかないようご注意ください。
翻訳未経験で書くことが全くない方は、翻訳スクールの通学歴がアピールポイントとなります。
履歴書で落ちてしまうという方は、専門分野の講座や翻訳基礎コースを受講してみるのもトライアル突破のカギです。
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翻訳トライアルの結果と合格後
翻訳トライアルの結果は、課題提出後1ヵ月以内に連絡が来るところが多め。
合格するとこのような感じでメールが来ます↓
合格まではいかないけど不合格ではない仮合格を出しているところもありました
その後は、翻訳単価(レート)の交渉をし、文書による契約を交わして登録が完了します。
翻訳トライアルの課題について
翻訳トライアルの期限や合格率はどうなのでしょうか?
トライアル課題の期限は?
トライアル課題の期限は、一般的に1~2週間。
分量はWord1枚程で、慣れている人だと数時間で終わるくらいになります。
翻訳トライアルのサンプルや例題はあるの?
残念ながら、各翻訳会社で実施してる翻訳トライアルのサンプルや例題はありません。
私が今まで受けてきた翻訳トライアル(医薬分野)ですと、医薬論文の概要部分や、治験文書(プロトコルや治験薬概要書の一部)が多かった印象です。
その文書の中に翻訳会社がちょっとしたひっかけ(誤訳しやすい文章)を入れているのがちらほら
専門文書に加え、一般文書(時事ネタなど)やTOEICのような文法テスト、翻訳ツールをマニュアル通り使用できるかのテストがある会社もありました。
トライアルの難易度や合格率は?
翻訳トライアルの難易度は、実案件よりは難しめ。翻訳会社がひっかけなどを含めているので、一筋縄ではいかない文章が多い傾向です。
その難しさから、何十社受けても受からなく、自信を無くしてしまう方も多いと聞きます。
実際に私もその一人でした…そもそもトライアルの過去問や対策テキストもないですし、会社によって傾向も分からないので対策のしようがないんですよね。
そこが難易度が高いと言われる一番の理由なのかなと私は思います。
合格率については、一般的に5〜10%くらいと言われています。
中には登録翻訳者を増やしたいだけの会社や、滅多に合格者を出さない会社(常時募集してるが人手が足りてるなど)もありますから、合格率についてはあまり考えなくてもいいかもしれませんね。
トライアルの勉強の仕方は?
翻訳トライアルの過去問もテキストもなくて、どうやってトライアルの勉強をしているのか?
これからトライアルを受ける予定の方は気になるところ…!
参考として、わたしが実際にしてきた勉強法としては、
傾向が分からないことから、トライアル対策というよりは全体的にコツコツと専門知識や翻訳スキルを上げていくしかない気がします。
どう勉強していいか分からない方は、翻訳スクールに通うのが近道です。
実際にわたしもスクールに通ったことがあり、授業でトライアル突破のコツを学んだり、生徒同士で情報共有もできました。
翻訳スクールは、翻訳業界で知らない人はいない有名なフェロー・アカデミーがおすすめです。
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わたしは通学・通信両方受けたよ!オンライン講座もあるので、海外在住者も受講できます♪
おすすめの翻訳スクールは別記事にもまとめています。
他にも、翻訳者ネットワーク「アメリア」というサイトもあります。
ここでは定例トライアルを活用して、なかなか分かりにくい自分の翻訳レベルをチェックをしていました。
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アメリアの定例トライアルでは、トライアルの結果をAA~Eの6段階で評価。一般的にB以上を取るとトライアルを受けて合格するレベルだと言われています。
自分が今どのレベルなのかを知ることで、今後の勉強プランにも役立ったよ!
また、AA評価を取得など基準満たしたクラウン会員になると、「実際の仕事で通用するレベル」の証明となるので未経験でも仕事を見つけやすくなるなどの特典もあります。
翻訳経験がないと応募できない会社もあるので、未経験者はこういうのを活用すると近道になりますよ!
トライアル関連のおすすめ本
翻訳トライアルのまとめ
今回は、翻訳会社に登録する流れや翻訳トライアルとは?をご紹介しました。
- トライアルの前に書類選考あり
- 翻訳トライアルの課題期限は1〜2週間
- 分量はWord1枚程度
- トライアルのサンプルや過去問はない
- トライアル対策より全体的に翻訳スキルを上げるのが鍵
これからトライアルを受ける方の参考になれば嬉しいです^^
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