
翻訳家になるにはどうすればいいのかな?
今回はこんな疑問にお答えします。
翻訳のお仕事は在宅でできるので
- 小さい子どもがいる主婦
- 海外在住の方
- 田舎に住んでいる方
などに人気の職業です。
実際私もカナダへの移住が決まっていたこともあり、海外でも働ける仕事として翻訳者の道を選びました。
でも翻訳家になるために、国家資格や専門学校というのがないため、「どうしたら翻訳家になれるの?」と疑問な方は多いのではないでしょうか。
今回は、自分の経験も交えて翻訳家になるためにまずやっておきたい9つのことをご紹介します。
- 翻訳で食べていきたいと決めたけど何からすればいいか分からない方
- 翻訳家になるための流れが知りたい方
- 翻訳家になるには年齢制限があるのか知りたい方
翻訳家になるには?まずやっておきたい9つのこと!

翻訳家になるためにまずやっておきたい9つのことは下記になります。
- 必要な英語力を身につける
- 進む分野(専門分野)を決める
- 専門分野の知識を身につける
- 翻訳力を身につける
- リサーチ力をつける
- ITスキルを身につける
- 仕事環境をつくる
- クラウドソーシングサイトに登録する
- 翻訳会社のトライアルを受けてみる
番号を振ってありますが、この順番に進めた方がいいというわけではありません。
自分がすでに持っている知識や環境によって不要なことや同時に行えることもありますので、参考程度にしてくださいね!
①必要な語学力を身につける
まず翻訳家になるには、必要な語学力を身につける必要があります。
翻訳の基礎ですからね!

英日翻訳だったらやっぱりTOEICは900点以上必要?
一つの目標としてTOEIC900点または英検準1級を目指してもいいかもしれません。
ですが、TOEICや英検にこだわりすぎるのもよくありません。
以前私もTOEICの点数ばかりにこだわり、

900点越えたら翻訳の勉強をしよう!
と英語の勉強に励んでいましたが、
その当時、参加した無料の翻訳セミナーで講師の先生に「いつになったら翻訳の勉強に進むべきか?」を聞いてみたところ、
「今からやりなさい!」
と厳しいお言葉を…
先生の意見としては「TOEIC900点以上は英語力が必要というよりTOEICのテクニックの方が大きい」とのこと。
ゴールは翻訳家になることであってTOEICで高得点(テクニック)を得ることではないのを忘れかけていました。
実際に翻訳会社に応募できる際の基準としては、
A社:TOEIC850点以上または英検準1級以上と同等の英語力を有する方
B社:TOEIC860点相当以上の語学力を有する方
と900点越えていないくても応募できるところがほとんどです。
高得点はあればあるだけいいですが、終着点を見失わずに語学の勉強を進めていく必要があります。
②進む分野(専門分野)を決める

翻訳の仕事にはそれぞれ分野がありますので、まず進む分野を決めます。
ちなみに、「翻訳家」と「翻訳者」の違いってわかりますか?

あんまり意識したことないけど…
明確な決まりはありませんが、分野によって分類されています。
<翻訳家>
・映画など映像関連の翻訳(字幕翻訳、映像翻訳)
・本などの出版物の翻訳(出版翻訳、文芸翻訳)
<翻訳者>
・ビジネスで使用する文書の翻訳(産業翻訳や実務翻訳)
→特許
→医薬
→IT
→法律、契約書、金融、証券、政治経済
→工業技術
※上は大枠です。細かく分けるともっとあります。
進む分野によって勉強の仕方も変わってきますので、翻訳を仕事にしたいと思った初めの段階で分野は決めておくのをおすすめします。
③専門分野の知識を身につける
進む分野を決めたら、専門分野の知識を身につけます。
その分野の知識がないと、原文を読むのにも苦労しますし、まず専門用語を正しく用いて訳すことが難しくなります。
勉強の仕方としては、
- 翻訳学校に行く(通学又は通信)
- その分野で仕事をする
- 本や参考書から勉強する
などがありますが、おすすめの勉強法は「その分野で仕事をする」です。
医薬翻訳者を目指していた私は、実際に医薬品を開発している企業で働き、業務をしながら医薬や治験の知識を身につけました。

知識0からだったのでかなり苦労したけど、毎日業務で触れてるから知識の吸収も早かったと思うよ!
実際に翻訳案件として依頼される文書が見れるという点でもおすすめ!
医薬なんて特にそうなんですが、機密文書なのでググっても当然出てきませんし、翻訳学校のテキストも一部のみしか対応していません。
翻訳会社に登録する際に受けるテスト(トライアル)で、対象の文書を実際に見たことがあるかないかで差が出てくるところです。
④翻訳力を身につける


翻訳力って語学力のことじゃないの?
「語学力があれば翻訳ができる」と思っている方が多いと思いますが、語学力と翻訳力は異なります。
翻訳力には、
読解力 + 専門知識 + 表現力
出典:https://www.trivector.co.jp
が必要であるとしています。
英日・日英の翻訳力を高めるためにおすすめの本を「翻訳の勉強におすすめの本7選!英日翻訳者になると決めたら読むべき本」でご紹介してます。
多くの翻訳者が絶賛するものを集めましたのでぜひ一読してみてくださいね!

⑤リサーチ力をつける
翻訳の仕事で1番といっていいほど重要なスキルが
リサーチ力(調査力)
フレーズや言葉の言い回しが、その分野・その文書で自然に使われている言葉なのか、自分で作った訳が適切なのかを文献やガイドラインなどで調べる力になります。

翻訳作業の8割はリサーチ作業だよ
リサーチ力をつけていくことで結果、翻訳作業スピードも上がっていき、収入にもかかわってきますので押さえておきたいところです。
分からないことがあったら徹底的に調べる癖をつけておきましょう!
調べるときはGoogle検索の便利な機能を使うと効率がいいです▼
<完全一致検索>
調べたい語句を引用符で囲む
例:”翻訳者になるには”
<関連するサイトを検索>
Webアドレス前に「related:」をつける
例:related:www.kuroneko.com
※他にもあるのでGoogle検索の機能一覧をご覧ください。
⑥ITスキルを身につける

翻訳家になるにはITスキルも重要になってきます。
まずパソコンを使えることはもちろん、
エクセルやワードの基本的な使い方はマスターしておくと効率よく翻訳作業ができます。
例:ワイルドカード、置換、検索など
最近は翻訳支援ツールも色々出てきています。
新しいツールを学ぶのに抵抗がない翻訳者を求めている会社もあるので、ツールに関しても少しずつ学んでいくといいかもしれません。
⑦仕事環境をつくる
在宅で翻訳の仕事をする際は、環境を整える必要があります。
最低限必要なものとしては、
- パソコン(ノートでもデスクトップでもOK)
- インターネット環境
- ウイルス対策/セキュリティーソフト
- Microsoft Officeソフト(Word, Excel, PowerPoint)
- 有料メールアドレス

セキュリティーソフトは翻訳会社に登録する際、必ず書く欄があるから必須!
有料メールアドレスも、真剣にフリーランス翻訳者として活動していくなら必要なもの。
メールアドレスが有料か無料かだけでクライアントからの印象がかなり変わります。

実際、翻訳界で有名な翻訳者ディレクトリでは有料メールアドレスでしか登録できなくなっています。
翻訳の仕事が軌道に乗ってから変更すると、連絡漏れやクライアントの変更の手間につながるので、「フリーランスでやっていく!」と決めた時に作っておくのがおすすめです。
私が実際に有料メールアドレスを取得した際の流れなど、別記事にまとめてます。

これくらいあればすぐに仕事を始められますので、準備しておきましょう。
⑧クラウドソーシングサイトに登録する
ある程度翻訳力がついてきたらクラウドソーシングサイトなどに登録して小さな案件を請け負ってみます。
翻訳経験がない初心者でも登録しやすく、案件を取りやすいサイトは「翻訳で稼ぎたいなら登録すべきサイト5選!」でご紹介しています。

ただ上で紹介したサイトはお小遣い稼ぎ向き。
本気で翻訳家を目指している駆け出しの方には「アメリア」がおすすめです!
アメリアとは大手の翻訳者ネットワークサービスで、翻訳者として活動している方なら一度は登録したことがあるくらい有名なサイト。
年会費が15,000円(月々1,250円)と少し高めですが、駆け出し翻訳者にはうれしい下記の特典が受けられるので入会する価値はあります。
- 翻訳関連求人が豊富
- 独自のスキルアップサービスがある
- 会員限定の情報誌などで翻訳業界の最新情報が手に入る
- カウンセリングが受けられる
- 翻訳者を目指してる仲間と交流できる
- 翻訳支援ツールやTOEICの特典が受けられる
私も駆け出しの1年だけ登録していて、仕事を見つけたのはアメリアからの求人でした。

翻訳について相談する窓口ってなかなかないから、カウンセリングが受けられたのは大きかったかな!
あと、翻訳者ディレクトリにも翻訳者登録しておきましょう!

翻訳者として登録しておくと、お仕事の依頼がきたり、こちらから求人を探すこともできます。
⑨翻訳会社のトライアルを受けてみる
もう一段階上へ、翻訳の収入を基盤として生計を立てていきたい方は翻訳会社への登録をおすすめします。
翻訳会社に登録する流れは、
翻訳会社へ応募
(履歴書・翻訳実績表など)
↓
トライアル(テスト)を受ける
↓
合格+正式登録
(契約書関連提出)
↓
仕事の受注
翻訳会社については「通訳翻訳ジャーナル」などの翻訳情報誌の最後の方に会社一覧が載っていますのでご参考に!
正直言ってトライアルはかなり難しいです…
一般社団法人日本翻訳連盟の日本翻訳ジャーナルの記事によると、
トライアルの合格率は
A社:40~60人応募⇒1,2人合格
B社:100人応募⇒20人合格
と翻訳会社の規模にもよりますが、そう高くはありません。
なので不合格になっても根気強くチャレンジするメンタルが必要です。
上で紹介した通訳翻訳ジャーナルを見れば分かりますが、翻訳会社は無数に存在します。
諦めずに挑戦していきましょう!

翻訳家になるために年齢は関係ある?

翻訳者になるために年齢は関係ありません。
翻訳セミナーや翻訳学校に通っているとき周りをザっと見た感じ40~50代の方が多かった印象です。
特に主婦の方が大半!
男性は定年後の60代が多かったです。
今までITや製薬会社などで働いていて、その専門知識を活かして翻訳に…といった方々でしょうか。
なので年齢は全く関係なく、要はやる気があるかどうかですね!
まとめ:翻訳家になるためには根気強さが大切!
今回は、翻訳家になるためにやっておきたいこと9つをご紹介しました。
- 必要な英語力を身につける
- 進む分野(専門分野)を決める
- 専門分野の知識を身につける
- 翻訳力を身につける
- リサーチ力をつける
- ITスキルを身につける
- 仕事環境をつくる
- クラウドソーシングサイトに登録する
- 翻訳会社のトライアルを受けてみる
さらっとご紹介しましたが、翻訳家になるには根気強さが大切です。
翻訳収入で生活基盤を支えていくのは大変ですが、諦めずにチャレンジしていきましょう!
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